女装夫と絵描きの夫婦 —ガーダ・ヴェーナ
もう1ヶ月以上も前のことだけれど、友人と深夜まで六本木で飲んだ後、始発までの時間つぶしに入った青山ブックセンターで、ある本に出会ってしまった。

最初は「お、なんか面白そうだなぁ」とパラパラ見ていたのだが、あるページを見て電撃が走った。そこには、わたしが15年来探していた画家がいたからだ。

a0034031_16551291.jpg彼女の名前は、ガーダ・ヴェーナ
1920年代にパリの都市風俗雑誌などで活躍していた、デンマーク出身の女性画家だ。

最初に出会ったのは、15年くらい前に買って読んだマリ・クレールの記事の中。何の特集だったかは忘れてしまったけれど、やわらかい色調と独特のクネクネしたラインに一瞬で魅了されてしまった。女性ならではの妖気というのだろうか。なんとも言えない魔術的な魅力を感じて、彼女に関する情報を探してみた。が、残念ながら当時はどこにもなく意気消沈。それからは数年おきになんとなく存在を思い出しては、また忘れていた(記事はしっかりスクラップした)。

そんな彼女と私を再会させてくれたすばらしき本が、荒俣宏 著「二十世紀イリュストレ大全—少女まんがのルーツをもとめて」全3巻。

さっそく購入。
そこには、まだ見たことのない彼女の作品がたくさん収録されていて、目眩がした。が、次の瞬間、経歴が書かれた文章を読んで絶句……。彼女の夫は、世界初の性転換手術を受けた男性であると同時に、手術の失敗がもとで死んでいるらしい。 ガーダは夫を女装させてパーティーに連れ回したり、絵のモデルにしたりしていて、夫ともども派手なことで有名だったとか。20世紀前半にして、このさばけ方!ジョンとヨーコもピート・バーンズ夫妻もビックリの、超前衛的夫婦だよ!!



もともと体つきが華奢だった夫は、絵のモデルで女装して以来、女装の魅力に取り憑かれ、ついには本格的なトランスジェンダーになってしまったんだとか。うーん、彼女の絵から漂うただならぬ妖気は、こんなところから来ていたのかしら。それにしてもノンケからトランスしちゃった夫を変わらず愛し続けた彼女の姿勢は、ホントにすごいと思う。懐の深い女だったんだろうな。

最近になって、アメリカやヨーロッパで彼女の自伝がちょっとしたブームになってるらしい。本国デンマークでは映画も製作されたというから、そのうち日本でも話題になるかもとこの本には書いてある。いや、本気で上陸してほしい!

この本はガーダ・ヴェーナ だけでなく、この時代のさまざまなフレンチ・ガール・アートが網羅されているのですが、自分のルーツはまさにここだなぁと、しみじみ感じ入ることしきり。迷ったり悩んだりした時には、この本を見返していこう。
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by aomisa | 2006-05-28 17:25 | 映画・アート・音楽・本
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